蒲プリでちょっと気取ってテーブルマナー

 

先日行われた第一回セミナー・「蒲プリでちょっと気取ってテーブルマナー」が行われた時の様子を報告します。その前に蒲郡プリンスホテルのことですが建築史的にいうと帝冠様式という建築になるのだそうです。昭和初期に多く立てられた形式で、西洋風の建物の上に和風の屋根を載せたスタイルです。同じような建物で愛知県庁、名古屋市役所、京都市美術館などがあります。

さて当日、5月15日(土)は13時よりセミナーが開始されました。会場は1階の桜の間でなかなか趣のある、歴史を感じさせる部屋です。木と漆喰で構成された天井を持ち、三方の窓から庭が眺められます。あいにく今年はつつじが終わってしまっていましたがその季節にはとてもきれいだということです。講師はホテルのスタッフである安川さんという男性の方でした。ホテルマンらしいきちっとした雰囲気の方で気持ちよく教えてくださいました。

 
会場です。シャンデリアもなかなか素敵です。天気にも恵まれました。

みなさんテーブルに着いたわけですが目の前にはナイフ、フォーク、スプーンが並べられています。
それと王冠型に折られたナプキンがあります。

ここでの心得は

手荷物は椅子の後ろもしくは椅子の下に入れます。
どうしてかというと料理が運ばれてきたときサービスする人が椅子の横に立たなくてはいけないことも多く、足にあたったりして間違いがないようにという理由によります。

ナプキンは二つに折って折り目が手前に来るようにひざの上に載せます。

途中で席を立つときナプキンをどうするか?そのときは一般的には椅子の上におくか椅子の背もたれにかけます。テーブルの上に置くのは食事の終わりを意味します。ただテーブルの上にナプキンが置いてあったからといって片付けるというようなことはないのであまり気にしなくても大丈夫です。

最初に運ばれてきたのは「小海老詰め白身魚のムース プリマベールソース」でした。残念ながら写真を撮り忘れました。心なしか参加者も緊張している様子でした。フォークナイフは外側から使ってゆきます。

2品目は「パンプキンスープ」です。
スープを飲むときの心得は

スプーンは鉛筆を持つように持ち、手前から前に運びます。そしてなるべく音を立てずに流し込むように口の中へ。・・・(結構むずかしい)残り少なくなったらカップの手前を持ち上げ集めてスプーンで。
途中でスプーンを置くときはカップの手前に置くのがよいと思います。カップの前に置くという作法もありますが汚れたスプーンが前の人の目に触れるのでやはり手前がいいと思います。またカップの中に入れておいても構いません。
スープをパンにつけて食べるのはOKです。ただしクルトン代わりにするのはだめです。
パンは一口づつちぎってバターをつけ口に運びます。


3品目は「お魚の黄金焼きトマトソース」 です。
一般的にナイフ、フォークのデザインは肉用のものと変えてあります。

本日のメインディシュは「豚肉ロースのロースト林檎添え」です。
一般的に肉用のナイフにはギザギザがついています。
切るときは脇を閉めて切ります。

ここでの心得ですが

右手にナイフ、左手にフォークを持ちます。そして肉の左端をフォークで押さえ切ります。そしてそのまま口に運びます。
切ってからフォークを右手に持ち替えて食べてもOKです。
たださいころステーキのように全部きっておいて食べるのはあまりいただけません。そのつど切って食べます。


食べ終わったら・・・・・

食べ終わったらナイフ、フォークは写真のように4時20分の位置に置きます。このときナイフの刃は自分のほうに向けます。
もし食べ残ったらお皿の右上に残しておきます。


最後はデザートです。この日はオレンジとチョコレート風味のムースフルーツと本日のシャーベット添えでした。
デザートを食べるときはスプーンでもナイフでも好みで使って構いません。特に決まりはありません。

その他Q&A

Q1)
食べ物を落としてしまったらどうしよう。
ナイフ、フォークを落としたらどうしよう

A1)
あわてずにサービスの人を呼んで片付けてもらいます。
ナイフ、フォークも片付けてもらい代わりのものを頼んでください。
もしひざの上のナプキンに落ちたらナプキンで包んでそのままサービスの人に私代わりのナプキンをもらいます。テーブルの上に落ちた場合も同様です。

Q2)
料理が来るまで手はどこに置けばいいんだろう。

A2)
手はテーブルの上に軽く置けばいいでしょう。

下に下ろすと前の人から何をしているのかわからず不信に思われるという理由によります。

Q3)
お皿は自分の前に移動させて食べてもいい?

A3)
基本的には食器は動かしません。

Q4)
フォークの背に食べ物を載せて食べるということを聞いたことがあるが?

A4)
現代のマナーではそういうことは教えていません。多分昔ヨーロッパに行った時現地の人が「こんなこともできる」と見せてくれたやり方を帰ってきて見せた事が広まったのだと思います。その形から行ってもフォークの腹に載せて食べるのが自然です。

 

以上当日のテーブルマナー教室の様子でした。
付け加えるなら当日教えてくださった安川さんが最初におっしゃっていた「仮に相手が間違った作法で食事をしていたら自分も間違えてあげるというような心遣いを持っていればほとんど問題はありません。」という意味の言葉が印象的でした。

このあと客室を見学させていただく予定でしたがあいにく塞がってしまっていましたので茶室をけんがくさせていただきました。茶寮 鶯宿亭(おうしゅくてい)と名づけられた本格的なつくりで丁寧に説明してくださいました。
常時開いているとの事ですので近くに行かれたら利用されたらどうでしょう。料金は¥1000です。