「セントレア・タイル博物館見学と陶芸体験セミナー」

 

さる9月6日「セントレア・タイル博物館見学と陶芸体験セミナー」が終了しました。中部国際空港セントレアは2005年に開港した常滑沖に位置する日本で5番目の国際空港です。その建設に際しては計画段階から、海流の問題、漁業権の問題、騒音の問題などいろいろと話題になりました。
さてセミナー当日は少し小雨がぱらつくはっきりしない天気でした。集合はセントレア1階の案内所前。今回の参加者はやや少なく8人。

館内の様子

説明の方からセントレアのことや見学の順序などについて説明を受けているところです。この後FM受信機とイヤホンで説明を聞きながら施設内に向かいました。

まずは1階から上の階にエスカレーターで移動します。エスカレーターはガラスの外壁に面し内部には竹が植えられています。外国から来た利用者が日本的な雰囲気を感じてもらえればという意味もあるとおしゃっていました。エスカレーターの踏面にはグリーンのラインが引かれていますがこれは弱視のひとでも動いていることが容易に認識でき事故の無いようにと言う配慮だそうです。エスカレーターの幅は広めで荷物をたくさん持った旅行者も楽に荷物を移動できるます。

写真は有りませんが3階に着くとこの日はすこし暗い雰囲気。上部にはトップライトがあり晴れた日にはとても明るいとのこと。こんなところでもなるべく電気を節約しようという設計のコンセプトがかいま見れます。また空港ですからとても大きい屋根面も持っているわけですがそこに降り注いだ雨水がそのまま捨てるのではなく中水として便所の水洗用水など上水を必要としない部分で活用されているそうです。

館内は少し薄暗いと書きましたがそんな中にほんのり浮かぶのがこのぼんぼりの様な照明です。この日本的な雰囲気をもった照明が施設内の至る所に配置されています。これは唯単に照明器具というだけでなく案内板を組み込んで有ったりもします。そしてもう一つ大きな役目は空調機の吹き出しを兼ねているということです。館内は天井高さも高く天井面に空調機を設置しても効率が悪い。そこでもっとフロアーに近いところに設置したい。そんなことから照明と合体させたこの照明が設置されました。

環境への取り組み

セントレアの環境、省エネへの取り組みは最近の流れを反映して随所に見られます。左は施設内のゴミ収集箱当然分別収集です。そしてここで集められたゴミは1日15トン。その約45パーセントをここでは燃料として再利用しています。可燃ゴミを一度炭にしして再利用しているとのことでした。また施設内には2台の燃料電池車も運行されています。
館内を見学した後デッキに出たのですがそこではソーラー集熱器が大規模に設置されていました。そこで発電された電気は何に使うかというと待機中の飛行機の為の電力として使用されているとのことでした。「えっ?」と感じますが大気中の飛行機の中では清掃や飛行の準備などいろいろな作業が行われています。以前はその為の電力を得るためにエンジンを一機稼働させていたのだそうです。当然燃料を使うため大気を汚します。それがこの空港では無くなりました。また今までの空港では燃料の補給にタンクローリー車をつかいタンクから飛行機まで何回も運んでいました。セントレアでは地下にパイプを敷設し車で運ぶ必要が無くなりました。車の排気ガスが無くなるためここでも一役買っています。
この空港ができることで今までの海流の流れが変わった訳ですが空港島の形は上から見ると四角い形ではなく曲面をもった柔らかい形になっています。なるべく海流の流れを変えないようにと言う配慮です。また空港ができることで漁業にも少なからず影響が出ます。新聞でも時々目にしますがやはりいろいろと問題があるようです。ただ空港でも空港島の廻りに魚礁用のブロックを設置し、海草を植えその成果も徐々に現れてきているとのことでした。このような環境問題に対しての取り組みが展示されているコーナーも設けられています。もしこれから行かれる方は除いてみてはいかがでしょう。

ユニバーサルデザイン
館内はバリアフリー、ユニバーサルデザインに配慮して作られています。駐車場などのあるアクセスプラザとターミナルビルは階高の関係でレベルがそろわないのですが棟間を少し開けてスロープにより解決しています。視覚的にもつながりとても自然な形で連続しています。そしてスロープだけでなく動く歩道も設置されていますがその幅は約1.8m あり、荷物を持った急いでいる人がそうでない人をパスしやすいように配慮されています。

お手洗いのサインです。ただ壁から突き出しているだけだと正面から見にくいのですが少し角度をつけているので正面からも無理なく見られます。

広い多目的トイレ
多目的トイレは昨年度セミナーでお招きした浅井先生も係わっているとおしゃっていましたがさすがに十分なスペースが確保してありました。広さだけの問題では無いとは思いますがやはりゆとりを感じます。

  

左2枚はトイレの中の様子充分広いことがわかるでしょうか。4.5畳くらい有りました。一番右の写真は中で何かあったとき利用者がボタンを押すと点滅する外部のランプ(白く見えるダウンライトではなく奥に見える緑色のライト)

その他
今回初めて知ったのですが飛行機は季節によって離着陸の方角が変わるそうです。
離陸の時基本的には向かい風状態で離陸するのですが夏と冬では風向きが逆になります。なので当然離着陸の方向も逆になると言うことでした。

今回の見学では空港が実施しているツアーの内エコツアーに参加しました。もし興味の有る方はただ見学するだけでなくこのようなツアーに参加してみてはいかがでしょうか。