「続・建て前」見学記

先日行われた建て前の続きです。
今日先日建て前の行われた家を改めて訪ねました。
とても快く写真撮影を許してくださいましたので、続編として紹介します。

この写真で見るように屋根の下地まで大体出来ています。アスファルトルーフィングの上に桧肌を敷き詰めています。どういう効果があるのか勉強不足でわかりません。この後も撮影しても良いと許可をいただきましたので、次回までの宿題とします。

 

こんな風になっています。
縦方向に桧の皮を敷き詰めてゆき横方向の桟木で押えています。この上に昔のようにドロを塗って瓦を置くんでしょうか?
わかりません。しばらく前まできっと当たり前に行われた工法なんでしょうが近頃見たことが有りません。今朝白川郷の屋根の葺き替えの話題をテレビでやっていましたが、あんな技術も「効率化」「合理化」の前に失われていってしまうんでしょうか。

大工さんの設計図、これだけの図面で造ってゆきます。あとは頭の中に有るのでしょう。よく見ると畳とか縁側の板の目、玄関の石模様なども書いてあります。小屋伏せ図の大きなXは梁です。真ん中に入っている小屋梁は東端から西端まで一本です。

前回に紹介した玄関の柱と束石、ちょっと調べましたが相変わらず名前が分かりません。ちょくちょく庭石として見かけるような気はしますが。柱と束石がどういう風につなげてあるのか気になるところです。

大黒柱の基礎部分です。写真では良くわかりませんが、ケヤキの柱です。一尺三寸有るといって見えましたから、約40センチ角です。その他の通し柱は八寸(約24センチ)です。当然基礎も厚くなりこの部分の巾は50センチ近くあります。緑色に見えるのは柱のカバーです。全体として真壁のつくりなので傷がつかないようにとの配慮です。アンカーボルトが見えますがこの柱の横ではとても細く見えます。もちろん実際に細い訳ではありません。

南側の縁側になる部分の天井です。この部分は野地板の現しの仕上だそうです。杉板と桧の垂木です。化粧丸太の母屋が見えます。

2階の床梁です。普通の角材なんでしょうが、ここでも丸太を使っています。下部は落としてありタイコ状に加工してあります。
床は仮の置いてあるコンパネです。

先ほど少し触れた2階天井の小屋組みです。x字型に梁がかかっているのが見えます。下に見える頭つなぎも成が300位あるのでしょうが、とても小さく見えます。それにしてもこれだけの小屋組みを詳細な設計図を描くだけでもなく、作り上げてしまう大工の技術には脱帽です。

一階にはこれから始まる外壁工事のための材料がおいて有りました。全面土壁になるということで小舞だけです。2階部分はすでに始まっているのですがそれは次回の報告とします。

この家に住むハスキー犬の朝から晩までずっとこの工事を見続けることになります。とてもやさしい犬ということなのですがシベリアンハスキーは、やっぱりこわもての感じがしてどうも苦手です。でも近づくと寄ってきて手をなめてくれました。今日お邪魔したときの建て主とすこしお話ししたのですが、完成までの一年くらいはかかると言うことです。その間不自由な生活を強いられるわけです。
実際この現場の前に仮住まいをされています。でもそういわれながらもそれ自体を楽しんでおられる様な気もします。そういうゆったりしたペースで本来家作りはされてきたのでしょうが、家が完全に商品になり、世の中の流れとは無縁でいられるわけも無く、あわただしく作り上げられてゆく昨今です。いろいろな条件に恵まれて完成していくだろうこの家は幸せ者かもしれません。

帰り際お礼の声を掛けようと前の作業場をのぞいたら建て主のご両親が収穫してきた野菜を整理して見えました。仮住まいも長くなりそうなので大変とおっしゃっていましたが、やっぱり大変そうには見えませんでした。